キャンピングカー広島オリジナルキャンピングカーにある『プレイス』の存在を知っていただき、
更にオリジナル性の高いFRP製ハイルーフが架装されたバージョン『プレイス-Cap』の室内高にほれ込んだ。 と云う事で、お話は柔らかくスタート。
『プレイス Cap ワンオフ車』架装計画の直前までは、キャンピングトレーラー歴10数年お持ちのオーナー様だけあって、「定番型の横向きシートが悪いという事では無くて・・・。」と前置きの後、『どうせ所有するならば、自分の意見を取り入れてもらい、”世界に1台だけのキャンピングカー”を手に入れたい!』と、熱い情熱を語られまして、この計画が熱を帯びてきました。
ルーフ架装を余儀なくされる『プレイス-Cap』は、弊社のルーフ架装作業の順番に追加されるべく”予約待ち”となってしまうため、具体的構想でお請けできるお仕事か否かの判断と、お客様の決意表明によって、まずは作業時期の確保からになります。 具体的な車種・メーカーオプション品・ボディ色・で機種は確定しますが、架装順番に合わせて入庫をお願いし、車室内のレイアウトや装備品については、この長~~い待ち時間の間にすり合わせをして行きます。
お客様の経験値から来るスタイルや希望的な装備を大切に、それを中心として、構造要件に照らし合わせながら、セッティングにお応えいたします。
夜を過ごすための空調環境は、誰もが気になる所ですが、
どの時期に、どこで、どれだけの時間を過ごすのか? と云う事も深堀して行くと意外と簡単にスッキリできるかも知れません。
停泊場所とルーフベンチレーターや扇風機を使っての換気方法や、シュラフの種類で解決できたり、サブバッテリーの容量的な心配は、使用する機器の種類や費用対効果の比較など、消費電力に加えて、必要スペースと利便性などを細部に検討して行くと、シンプルさの中で意外にも簡単に片付いてしまったりする事もあります。
しかし、車室内の空間は、クルマの大きさに比例して快適さは変わってくるので、まずは最初の段階で理想のボディサイズを確定します。
窓にはフレーム付の網戸をセットしています。
3名掛けセカンドシート
ご家族と共にお出かけの際、どうしてもセカンドシートに乗車させることになる。との事で、FASP社製の前向きシートを設置し、乗車定員を確保しています。
3名掛けの中央席は2点式シートベルトの腰ベルトですが、外側シート乗員席には3点式シートベルトが装備されています。
簡易セカンドシートテーブル1
運転席後部にテーブルサポート用プレートを設け、そこに小型のテーブルをセット出来るようにしています。
テーブルのサポートは、コの字型テーブルサポート用ファスナーを利用し、レッグは、伸縮固定できる”とある”レッグを代用して利用していただきます。
キャンピングカー特有の横向きシートですが、左右それぞれ2名づつ着座が可能になっています。
シートベルトは左右4名分2点式シートベルトになっています。
広さを感じて戴けるスペースのキャンパーになりました。
セカンドシートを後ろ向きに反転させ、テーブルを囲む事が出来ます。
テーブルサポートベースは、状況に応じて、前側・後側の2ヵ所で利用できる様にしています。
5名~7名でテーブルを囲む場合には、セカンドシートテーブルを利用して、ダイニングテーブルを拡張できるようになっています。
拡張部のサポートレッグもセカンドテーブルで利用していたレッグをそのまま利用できます。
右側オーバーヘッド収納庫はご要望により、前側2BOXと後部1BOXとは仕様が異なり、後部はシュラフやブランケットなどの収納用として、軽量でかさばるものはドアを開いたまま利用できるベルトストッパー付になっています。
オーバーヘッド収納庫2
後部の収納庫のドアは、開いた時に底板面とドアの内側面とが一面になる様に仕上げることで、床面が広がるので、比較的大きなものを載せるスペースが出来上ります。
【天井にはMAXファン(吸排気式換気扇)を設置。】
オーバーヘッド収納庫3
床面を広げると、そこにはドアが無いので、ドアを吊下げる補強もかねて、荷物の脱落防止にもなるベルトを2本用意しました。
トイレルームとカセットトイレ
トイレルームは最低限のスペースとして、オーナー様の身動きに支障のない程度と云う事で、実際スペースを簡易的に囲い、試して戴いた上で決定。
室内高は、ハイルーフよりさらに室内高があるので、高さに心配は無しです。
明り取り用の丸窓にはスリガラス風のカッティングシートで保護。
右側最後部に、出入り口は家庭用の浴室ドアでも利用されているアルミ製折れ戸を採用し、外側に開く様設定しました。
バックドアを開けて、水栓用タンクに水を補給します。
また、汚物のタンクは、バックドアを開けた状態から右下のドアを開けて、内部からブラック(汚物)タンクを引き出して、処理場へ持ち出す様になります。
左側にあるタンクは、流し台用の上下水タンク(20㍑×2)です。
流し台は、左側後部にL型で設置されています。
流し台に向かって、左側に調理台を置き、さらにその左側に跳ね上げて利用できるカセットコンロ台。
流し台のすぐ横の調理台カウンターを持ち上げると、14㍑冷蔵庫を利用できるようになっています。
ベッドスペース
乗車定員9名に対して就寝定員は1/3規制で3名の就寝を確保している『プレイス-Cap Custom』です。
サードシートの背もたれをその膝前空間にはめ込み、セカンドシートをフラットにした状態でスライドドア側へ横スライド、右側に空いた空間に補助の拡張マットをハメ込み、セカンドシートのサードシートの空いた空間にさらに補助マットをハメ込んで、このベッドスペースが出来上ります。
ところがご要望により、現在このスペースの一部の上部に、組立型の二段ベッドスペースを確保、セッティング中です。。。
(文章でお伝えすることは、なかなか難しい事を改めて自覚してしまいます。(^^;))
電源スイッチ部1
もしもの時の電源チェック場所、集中スイッチ裏はすぐに調べられる様に、扉形式にして、簡単簡略化しています。
メンテナンス用のドアを閉めてしまうと、スッキリしたスペースに集中スイッチと電源メインスイッチ、その上にインバータースイッチが着きます。
左右にあるオーバーヘッド収納部に加え、リヤにも小物入れを設置、そして、標準車のルーフがさらに高くなった分、フロント側にはリヤクーラー上部に収納庫が設けられています。
サブバッテリー
これまでのキャンピングカー社歴の経験値から、サブバッテリーはAGM 100Ahバッテリーをシングル設定し、ソーラーチャージングシステムの設定で、充分と判断。
必要以上の電気消費はどの様になるかは良くご存知の事で、ご納得済み。
心強いお客様です。
ベッドマットを受けるのは、SUSパイプになります。
使わない時には、トイレルームのフロント側壁のパイプホルダーに備え付けておきます。
パイプは、横向きシート背もたれ上部に3本のパイプを渡します。
子供用のサイズの簡易型二段ベッドになりますが、大人が寝る事も想定して、パイプを受けるソケット取付面、パイプの太さ、マット板を含め、強度も充分な物を採用しました。
二段ベッドがセットされても、高さをあまり気にする事も無く、さすがに超ハイルーフの『プレイスCap』
頭上に余裕すらあります。
サイズは、子供2人分スペースですが、背丈160cmまでの方であれば、充分就寝可能に思います。
二段ベッド4
アンダーベッドになるメインベッドスペースと二段ベッドとのクリアランスも500㎜以上を確保し、こちらも余裕のスペースをつくり出すことができました。
二段ベッド5
二段ベッドマットは、4枚分割にしました。
使わない時には、対面のサードシート背もたれ上部に、ベルト固縛により固定させています。
スライドドア後方にあるはめ殺し窓は、明り取りのみの窓です。
ギャレーでの作業にどことなく圧迫感を感じると同時に空気溜まりも感じていたオーナーのK様は、この部分に開閉できる窓が着けば、空気の流れが変わる! と考えました。
開閉窓にも種類があることもご存じで、色々な資料をあさってお勉強されたとか。。。
窓を取付けするためには、ガラス窓には穴を開けることはできないので、どうするか?
ご相談も戴きました。(^^;)
そうです、一旦ガラス窓を取り外し、FRP製パネルで窓を埋めてしまいます。
窓の大きさと位置がとても重要になりますね。
せっかく埋めてしまうなら、埋まった部分は壁になる訳で、当然”断熱壁”となるように断熱材を閉じ込めます。
そして、内装パネルの施工をします。
各資料を基に、この位置で、この大きさで、スライドドアの干渉もなく、空気の取入れ最大の窓サイズを確認検証・・・ちょっと大げさな表現ですが、努力のたまものでした。(^^)
スッキリと納まって、好感度もアップ!
水作業をするギャレーのすぐ前に窓があるのは良いのですが、水撥ねが気になるところ。
窓のすぐ手前に”水切り”の立ち上げを取り付けて水のこぼれも気にならなくなります。
窓には、メッシュとシェードがロール型でコンビになったアクリル製二重窓を採用しています。
メッシュにすれば、明り取りはそのまま虫よけと換気が出来ます。
スクリーンシェードを利用すれが、明かりもシャットアウトできます。
外観スッキリの『PLACE Cap Custom』となりました。
家族形態も年々変化して、「二人で使い切る」ことに重点を・・・という思い切りにより、ご覧の通りにセカンドシート・サードシートを撤去してしまいました。
FFヒーターの移設は結構厳しいので、この場所にそのまま置き、ダクト配管による吸気と吹き出しにします。
また、サブバッテリーも元位置から大きくは変更せず二段ベッド下段下内に置きます。
右側タイヤハウス前にあったリヤ走行ヒーターは、左側に移設しました。
二段ベッドベースは鉄フレームにてワンオフです。
中央にはしご階段を設け、後方から下段ベッドに入り込む計画。
スーパーハイルーフと言えども、上下段ともに80㎝近くのクリアランス確保のために、出来る限り下げてマットベースを位置決めし、下段ベッドのフレームは木製で組みました。
就寝時にスライドドアが開いても、セパレーターがベッド内直見えを防いでくれる様に設置。
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